草原住宅の「循環空調」とは、自然空気の給気と高性能な排気設備により、冷暖房を住宅のすみずみにまでめぐらせ、家全体を新鮮な空気と快適な室温で満たすしくみのことです。花粉やハウスダストなどを除去することで、呼吸器系や自己免疫系への負担を減らせるのみならず、部屋ごとの温度差が少ないため、熱中症やヒートショックなど、いのちにかかわる事態を未然に防ぐ効果も期待できます。さらに、部屋ごとに冷暖房設備を導入する必要がないため、経済的・デザイン的にもうれしい、数多くのメリットを得られるシステムです。
※仕事場①は道路工事現場、工場、作業所等を、仕事場②は田畑、森林、海、川等で農・畜・水産作業を行っている場合を指す
※(出所)総務省「令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」より
暑さの厳しい熊本の夏。熱中症は外出時に起こりやすいと思いがちですが、実は在宅中での発生率が最も高く、なんと全体の40%を占めています。しかし、だからといって全室エアコンを稼働させるのはコストが心配、という方も多いことでしょう。「循環空調」なら家中の温度をエアコン1台で適切にコントロールできるため、経済的な負担を気にすることなく、熱中症のリスクを大幅に減らせます。
夏の熱中症だけでなく、冬は寒暖の温度差にも注意しなければなりません。暖かい部屋から寒い浴室へ移動したことにより血圧が急激に変化し、高齢者の事故を引き起こしてしまう「ヒートショック」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。「循環空調」は、エアコンの冷暖房を家中にめぐらせ、室温の均一化を図ることで健康リスクを低減。エアコンの風が直接体に接する不快感もやわらげるため、五月の草原のような、快適で過ごしやすい住空間が生み出されます。
シックハウス症候群のリスク要因は、人が生活していくうえで少なからず発生、または屋外から侵入してしまいます。その内訳は、人工的な化学物質、自然由来の化合物や無機物、微生物の代謝の過程で生成される揮発性の有機化合物など、実にさまざまです。
※(出所)厚生労働省「科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)」を参考に作成
自然素材の活用などにより、リスク因子の発生源を断つことはもちろん大切ですが、発生しても換気により排出し、つねにその濃度を低くおさえられる仕組みも大切になってきます。
草原住宅ではまず、給気口に取り付けたフリマーフィルター(帯電させた繊維で外気を清浄化する高性能フィルター)できれいにし、排気ガスや砂塵、花粉やPM2.5などの侵入を防ぎます。さらに、喫煙ルームなどでも使用される空気清浄機を目立たない収納内などに組み込み、24時間清浄な空気を循環させます。
クローゼットや廊下などに設置される床下排気口
目立たない場所に設置されるビルトイン空気清浄機
目に見えない空気だからこそ確かな仕組みで丁寧に配慮し、家族の健康を静かに守り続ける――。それが草原住宅の「循環空調」です。
空調管理を各部屋で行う場合、エアコンが3〜4台必要になるうえ、浴室や廊下などの空調までは考慮されていないため、ヒートショックなどの危険性はぬぐえません。しかし「循環空調」では、エアコン1台で家全体の温度を管理するためランニングコストを低くおさえられ、さらに空気の浄化まで行えます。また、高断熱・高気密、パッシブデザインを組み合わせ、空調効率を最大限まで高めるため、年間光熱費の大幅な削減が可能になるのです。
一般的な全館空調システムでは、専門の業者に依頼しなければメンテナンスできず、維持費がかさんでしまう場合があります。特に空気清浄フィルターは、1年に1回程度の頻度で交換が必要ですので、そのたびに業者を呼んでいては、手間もコストもかかってしまいます。
「循環空調」が採用しているフリマーフィルターは、給気口に取り付けられているユニットを屋内側から開き、新しいフィルターと交換するだけですむため、住む人自身でメンテナンスできます。もちろん、ご依頼いただければこちらで交換することもできますので、お気軽にお問い合わせください。